親の家の整理はモノと向き合う時間
2020 / 08 / 22 ( Sat ) 前2回は転倒予防のポイントをお伝えしてきました。 今回は 「整理収納」の視点から考えていきます。 簡単にいうと 「整理収納」=「お片づけ」 ですが・・・ 要は いろんなものがあふれないように 「モノの指定席をつくる」こと。 何がどこにあるかわかるようにする。 そのためには・・・ ①どれだけのモノを持っているかを知る。 (引き出しや押し入れの中のものを全部出す。) ②必要なモノとそうでないものに分ける。 (分別する) ③必要なものをどこに収納するかを決める。 (残すものの数量を決め、モノの指定席を決める) ④必要でないものをどうするかを決める。 (人に譲る、親に代わってネットなどで販売する、ゴミとして捨てる など) 簡単にいうと手順はこれだけです。 でも 基本的には本人の了解を得ながら一緒に 順番にしていくことが大切です。 皆さんもよくご存知の 「断捨離」や「まず『捨てる』ことから始めなさい」 など整理整頓の書籍はたくさんあります。 けれども全部うのみにするのはどうでしょうか? 持っている「モノ」は その人の人生や思いが反映されているので 自分が納得しないと捨てられないのです。 実は筆者の母も、 戦後のモノのない時代に育ったので キレイな箱、袋、包装紙などを 押入れや倉庫に詰め込んでいました。 裁縫が得意だったので着物や布の端切れなど何箱も。 ガーデニングや健康の情報をスクラップにして何冊も。 「こんなの使わないから捨てなさいよ」 「もうちょっと片付けたら?」 実家に行くたびに言い続け、 そのたびに喧嘩になりました。 言葉の選び方は大切です。 身近な立場であるほど言葉は慎重に。 相手が快く改善したくなる 言葉かけが必要ですね。 ですので、 大切なのは 貴重品(現金、預金通帳、印鑑、保険証(後期高齢者証)、家の権利書など)の 指定席を確認し把握できるようにすること。 本人だけでなく、身近な人(子供や兄弟など)が把握していると もしもの時にあわてなくて済みます。 極端な言い方をすれば 貴重品(財産)の管理ができていれば その他のものはどんな状態でも ゴミ屋敷であっても 本人が心地よければ、それで良しとする。 様々なバトルの後、そう思えるようになりました。 人は長い間の習慣を変えることは容易ではありません。 モノに囲まれていることが幸せな人もいます。 ただ、衛生状態が悪かったり、 モノの落下の危険や 足の踏み場がなく転倒の危険がある場合は 即時改善が必要です。 子供としては 親の家が汚れていると他人の目が気になり 体裁が悪いとか恥ずかしいとか 自分が何か後ろめたい気さえして いろんな感情が渦巻きます。 でも 親の持ち物を通して 親の人生を知り、思いに気づくことがあります。 親の家の片付けを通して 親との関係を見つめ直すことが 自分のこれからを考えるきっかけになったりします。 ひとつひとつのモノに向き合うことは 時間がかかります。 実は面倒くさかったりします。 向き合いたくない過去に触れるかもしれません。 でも、愛情をもって見守ること。 時間をかけて話すこと。 できることなら手助けも。 それは 私達子どもにとっても 必要な時間であるように思えるのです。 そう考えていくと 「生前整理」の問題に突き当たります。 でもこれは別の機会にお話しようと思います。 今回は整理とモノとの関係についてお話しました。 スポンサーサイト
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